ライフラインの被害 【南海トラフ巨大地震】

2013年3月18日 南海トラフの巨大地震モデル検討会レポートより

主なライフラインの被害

上水道

被災直後で、最大約3,440万人が断水すると予測されます。
東海三県(静岡、愛知、三重)の約6~8割、近畿三府県(和歌山、大阪、兵庫)の約4~6割、山陽三県(岡山、広島、山口)の約2~5割、四国の約7~9割、九州二県(大分、宮崎)の約9割が断水すると想定されます。

全国の断水人口 復旧予測日数
3,440万人 4~8週間

下水道

被災直後で、最大約3,210万人が利用困難となると予測されます。
東海三県(静岡、愛知、三重)の約9割、近畿三府県(和歌山、大阪、兵庫)の約9割、山陽三県(岡山、広島、山口)の約3~7割、四国の約9割、九州二県(大分、宮崎)の約9割が利用困難となると想定されます。

下水道の利用困難人口 復旧予測日数
3,210万人 数日間~5週間

電力

被災直後で、最大約2,710万軒が停電すると予測されます。
東海三県(静岡、愛知、三重)の約9割、近畿三府県(和歌山、大阪、兵庫)の約9割、山陽三県(岡山、広島、山口)の約3~7割、四国の約9割、九州二県(大分、宮崎)の約9割で停電すると想定されます。

停電件数 復旧予測日数
2,710万軒 数日間~2週間

通信

被災直後で、固定電話は最大約930万回線が通話できなくなると予測されます。
東海三県(静岡、愛知、三重)の約9割、近畿三府県(和歌山、大阪、兵庫)の約9割、山陽三県(岡山、広島、山口)の約3~6割、四国の約9割、九州二県(大分、宮崎)の約9割で通話支障が想定されます。

携帯電話は、基地局の非常用電源による電力供給が停止する1日後に被害が最大となる。被災直後は大部分の通話が困難となる。インターネットへの接続は、固定電話回線の被災や、基地局の停波の影響によって利用できないエリアが発生します。

  通信障害 復旧予測日数
固定電話の通話支障 930万回線の通話支障 数日間~4週間
携帯電話の停波基地局率 四国・九州エリアでは80% 数日間~4週間

ガス(都市ガス)

被災直後で、最大約180万戸の供給が停止すると予測されます。
東海三県(静岡、愛知、三重)の約2~6割、近畿三府県(和歌山、大阪、兵庫)の約1割、山陽三県(岡山、広島、山口)の約1割、四国の約2~9割割、九州二県(大分、宮崎)の約3~4割で供給が停止すると想定されます。

ガスの供給停止 復旧予測日数
180万戸で供給が停止 2~6週間

交通施設の被害

道路施設(高速道路・一般道路)

地震動が揺れによる被害が最大となる陸側ケースだった場合、約3万~3万1千箇所で路面損傷、沈下、法面崩壊、橋梁損傷等の道路施設被害が発生する。

津波浸水域 津波浸水域外 合計
3,700箇所 37,400箇所 41,000箇所

九州地方が大きく被災するケース(津波ケース5の場合)

鉄道

地震動が揺れによる被害が最大となる陸側ケースだった場合、約1万9千箇所で線路変状、路盤陥没等の鉄道施設被害が発生する。

新幹線 津波浸水域 津波浸水域外 合計
290箇所 560箇所 17,800箇所 18,700箇所

新幹線は津波浸水域外

港湾

地震動が揺れによる被害が最大となる陸側ケースだった場合、対象港湾の係留施設のうち約5千箇所で被害が発生する。対象防波堤延長417キロメートルのうち、約126~135キロメートルで被害が発生すると想定される。

  国際戦略国際拠点 重要 地方 合計
岸壁被害重要地方合計 350箇所 520箇所 280箇所 1,200箇所
その他係留施設 620箇所 1,900箇所 1,300箇所 3,800箇所
被災防波堤延長 30km 59km 46km 135km

空港

中部国際空港、関西国際空港、高知空港、大分空港、宮崎空港で津波浸水が発生すると想定されます。
このうち、高知空港と宮崎空港では、空港の半分以上が浸水すると想定されます。下記に加えて徳島空港等は浸水の可能性があります。

対象空港 最大震度 最大浸水深
中部国際空港 7 2m
関西国際空港 6強 3m
高知空港 7 5m程度
大分空港 5強 2m
宮崎空港 6強 5m程度

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