津波の影響 【首都直下地震】

平成24年4月18日 東京都防災会議 地震部会「首都直下地震等による東京の被害想定」報告書より

津波の高さ・津波浸水の分布

元禄型関東地震の浸水分布

元禄型関東地震では、最大津波高は東京湾沿岸でT.P.+1.9m~+2.6m程度です。また、最大波高の到達時間は最短2時間20分程度です。水門閉鎖の場合の東京都全域の浸水面積は、約4.8km2と少なく、主な浸水箇所としては堤外河川敷などです。

伊豆諸島においては、震源・津波波源域が近く、各島の最大津波高もT.P.+5m~+22m程度と高くなっています。伊豆大島では最大T.P.約+8mの津波の到達時間が3分と短く、他の島々(南方の島を除く)も16~21分で最大津波到達時間となります。

元禄型関東地震(M8.2) 水門閉鎖の場合

中央区 江東区 江戸川区 港区 品川区 大田区 東京湾埋立地
2.39m 2.55m 2.11m 2.47m 2.61m 2.27m 2.06m

元禄型関東地震 津波

元禄型関東地震(M8.2) 水門閉鎖の場合

元禄型関東地震(M8.2) 水門開放の場合

中央区 江東区 江戸川区 港区 品川区 大田区 東京湾埋立地
2.39m 2.40m 1.92m 2.39m 2.52m 2.26m 2.13m

元禄型関東地震 津波

元禄型関東地震(M8.2) 水門開放の場合

東京湾北部地震の浸水分布

東京湾北部地震の津波シミュレーション結果では、水門閉鎖・開放の場合とも、地殻変動を考慮した最大津波高は東京湾沿岸でT.P.+1.0m~+1.8m程度です。また、最大波高の到達時間は波源域に近い南側では3~7分程度と短い。
水門閉鎖の場合の東京都全域の浸水面積は約0.1km2で、堤外地のごく一部のみとなっています。水門開放の場合の東京都全域の浸水面積は約0.3km2で、堤外地のほかに、水門内の低い場所への小規模な浸水が予測されています。

東京湾北部地震(M7.3) 水門閉鎖の場合

中央区 江東区 江戸川区 港区 品川区 大田区 東京湾埋立地
1.88m 1.75m 1.55m 1.37m 1.41m 1.58m 1.39m

元禄型関東地震 津波

東京湾北部地震(M7.3) 水門閉鎖の場合

東京湾北部地震(M7.3) 水門開放の場合

中央区 江東区 江戸川区 港区 品川区 大田区 東京湾埋立地
1.88m 1.75m 1.55m 1.35m 1.41m 1.58m 1.39m

元禄型関東地震 津波

東京湾北部地震(M7.3) 水門開放の場合

津波による浸水被害について

東京湾北部地震及び元禄型関東地震のいずれの地震においても、河川及び海岸の堤防を越えるような津波高は想定されていません。しかし、元禄型関東地震において水門が閉鎖されなかった場合には、河川遡上等による浸水被害が生じます。浸水深は概ね1m未満で、全壊約200棟、半壊約2,300棟と想定される一方、死者の発生は想定されていません。
島しょ部については、建物等に関する詳細データが得られなかったため、本調査では、定量的な算定はしていないが、最大でT.P.約22mの津波の到達が予想されることから、人的被害、建物被害等が生じる可能性があります。

  全壊棟数 半壊棟数
千代田区 0棟 0棟
中央区 39棟 467棟
港区 4棟 44棟
新宿区 0棟 0棟
文京区 0棟 0棟
台東区 0棟 0棟
墨田区 31棟 232棟
江東区 40棟 230棟
品川区 10棟 112棟
目黒区 0棟 0棟
大田区 88棟 1,020棟
世田谷区 0棟 0棟
渋谷区 0棟 0棟
中野区 0棟 0棟
杉並区 0棟 0棟
豊島区 0棟 0棟
北区 0棟 0棟
荒川区 0棟 0棟
板橋区 0棟 0棟
練馬区 0棟 0棟
足立区 0棟 0棟
葛飾区 0棟 0棟
江戸川区 19棟 203棟
230棟 2,309棟

浸水被害の拡大の可能性について

区部沿岸部においては、河川敷等で一部浸水が生じるが、大きな被害は想定されない。しかし、津波の発生を伴う元禄型関東地震が、高潮と同時に発生した場合には、堤防からの越流による浸水被害が生じる可能性がある。
また、地震発生時に水門が機能しなかった場合には、浸水想定地域への浸水被害が想定されるほか、地震動や津波により、海岸や河川の堤防等が損壊した場合には、浸水被害が拡大するおそれがある。