道路の被害・閉塞・渋滞 【首都直下地震】

平成24年4月18日 東京都防災会議 地震部会「首都直下地震等による東京の被害想定」報告書より

道路施設の被害

最大の被害が想定されるのは東京湾北部地震で、高速道路で都内の橋脚の約10%に中小被害が発生します。一般道路では都内の橋梁の約0.1~0.8%で大被害が、約0.7~9.2%で中小被害が発生します。

東京湾北部地震 M7.3 道路施設の被害率

  高速道路 一般国道 都道 区市町村道
  大被害 中小被害 大被害 中小被害 大被害 中小被害 大被害 中小被害
区部計 0% 12.9% 0% 12.8% 0.6% 6.8% 0.2% 2.4%
多摩計 0% 0.1% 0% 0% 0% 0% 0% 0%
都計 0% 10.2% 0% 7.6% 0.2% 3% 0.1% 0.7%

多摩直下地震 M7.3 道路施設の被害率

  高速道路 一般国道 都道 区市町村道
  大被害 中小被害 大被害 中小被害 大被害 中小被害 大被害 中小被害
区部計 0% 2.8% 0% 2.5% 0.1% 1.7% 0.1% 0.6%
多摩計 0% 4.4% 1.9% 11.7% 0.1% 1.1% 0.1% 0.5%
都計 0% 3.2% 0.5% 5.6% 0.1% 1.4% 0.1% 0.5%

元禄型関東地震 M8.2 道路施設の被害率

  高速道路 一般国道 都道 区市町村道
  大被害 中小被害 大被害 中小被害 大被害 中小被害 大被害 中小被害
区部計 0% 6.1% 0% 7.1% 0.3% 3.6% 0.1% 1.5%
多摩計 0% 1.5% 1% 6.5% 0% 0.5% 0% 0.3%
都計 0% 5.1% 0.6% 7.2% 0.1% 1.8% 0.1% 0.6%

立川断層帯地震 M7.4 道路施設の被害率

  高速道路 一般国道 都道 区市町村道
  大被害 中小被害 大被害 中小被害 大被害 中小被害 大被害 中小被害
区部計 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0%
多摩計 0% 6% 1.9% 11.6% 0.1% 1.2% 0.1% 0.5%
都計 0% 1.3% 0.3% 3.8% 0.1% 0.7% 0% 0.4%

橋梁・橋脚被害とは、ゆれにより道路の橋梁・橋脚部に落橋や亀裂等が生じることを言います。
被害が生じるのは、震度6強以上のゆれが発生する場合とし、被害の程度は大被害(落橋や橋の変形など、短期的には救助活動や緊急物資の輸送路としての機能等を回復できない程度の損傷)及び、中小被害(部分的な亀裂、コンクリートの剥離など限定的な損傷であり、修復をすることなく又は応急修復程度で救助活動や緊急物資の輸送路としての機能を回復できる程度の損傷)とした。

細街路における閉塞の発生

震度6強が想定され建物全壊が生じる地域では、沿道建物の倒れ込みによる細街路の閉塞が想定されます。細街路の閉塞とは、道路の幅員が13m未満の狭い道路において、ゆれや液状化現象によって道路周辺の家屋等が倒壊することにより、当該区間が通行できなくなる状態(通行可能な道路幅員が3m以下になった状態)を言います。

東京湾北部地震では、区部西部から東部の木造住宅密集地域、多摩直下地震では、区部西部から市部全域の市街地、元禄型関東地震では都の南部、立川断層帯地震では、市部北部を中心に細街路の閉塞が想定されます。都内で閉塞率15%以上の地域の割合がもっとも高くなるのは、多摩直下地震の場合で広く多摩地域を中心に約36%発生します。
これらの地域では、救助・救急活動や消火活動等の応急活動や避難行動等への支障が想定されます。

東京湾北部地震 M7.3 閉塞可能性があるエリア

東京湾北部地震 閉塞

閉塞率 15%未満 15%~20% 20%以上
区部計 69.6% 25.7% 4.7%
多摩計 78.4% 21.4% 0.2%
都計 74.5% 23.3% 2.2%

図上の路線図は緊急輸送道路

多摩直下地震 M7.3 閉塞可能性があるエリア

多摩直下地震 閉塞

閉塞率 15%未満 15%~20% 20%以上
区部計 84.2% 15.3% 0.5%
多摩計 48.5% 45.1% 6.4%
都計 64.2% 32% 3.8%

図上の路線図は緊急輸送道路

元禄型関東地震 M8.2 閉塞可能性があるエリア

元禄型関東地震 閉塞

閉塞率 15%未満 15%~20% 20%以上
区部計 83% 15.7% 1.3%
多摩計 61.2% 33.8% 5%
都計 70.8% 25.8% 3.4%

図上の路線図は緊急輸送道路

立川断層帯地震 M7.4 閉塞可能性があるエリア

立川断層帯地震 閉塞

閉塞率 15%未満 15%~20% 20%以上
区部計 99.4% 0.6% 0%
多摩計 55.4% 35.2% 9.4%
都計 74.8% 19.9% 5.3%

図上の路線図は緊急輸送道路

東京都では、阪神・淡路大震災での教訓を踏まえ、地震直後から発生する緊急輸送を円滑に行うため、高速自動車国道、一般国道及びこれらを連絡する幹線道路と知事が指定する防災拠点を相互に連絡する道路を緊急輸送道路と定めている。

  1. 一次路線
    応急対策の中枢を担う都本庁舎、立川地域防災センター、重要港湾、空港等を連絡する路線
  2. 二次路線
    一次路線と区市町村役場、主要な防災拠点(警察、消防、医療等の初動対応機関)を連絡する路線
  3. 三次路線
    その他の防災拠点(広域輸送拠点、備蓄倉庫等)を連絡する路線

交通渋滞による緊急輸送道路の交通支障

走行速度が時速20km以下で渋滞する区間延長は、緊急輸送道路のうち上りで約600km(約30%)、下りで約580km(約30%)です。

渋滞割合(上り)

渋滞区間延長(km・%)
  高速道路 国道・都道 合計
20km/h以下 28.6km (1.5%) 575.7km (29.2%) 604.3km (30.7%)
15km/h以下 7km (0.4%) 133.8km (6.8%) 140.8km (7.1%)

渋滞割合(下り)

渋滞区間延長(km・%)
  高速道路 国道・都道 合計
20km/h以下 3.9km (0.2%) 578.2km (29.4%) 582.1km (29.5%)
15km/h以下 0km (0.0%) 135.1km (6.9%) 135.1km (6.9%)

緊急輸送道路総延長 (1,970km)

交通施設の被害想定について

阪神・淡路大震災以降、耐震対策が進められており、中越沖地震等規模の大きい地震においても、甚大な影響は出ていない。なお、海溝型地震である東北地方太平洋沖地震においても、ゆれによる被害は、ほとんど発生していないため、被害率の参考となる適切な地震のモデル設定が難しい。