地下街・駅の被害 【首都直下地震】

平成17年2月25日 政府中央防災会議「首都直下地震対策専門調査会」より
被災シナリオ(東京湾北部地震M7.3 、都心西部直下地震M6.9)

地下での火災発生

首都地域では、ターミナル駅周辺に大規模地下街が集積しています。100店舗以上集積するのは新宿駅(276店舗)東京駅(242店舗)池袋駅(183店舗)横浜駅(154店舗)です。地下街での出火率は震度6強では料理店1店舗当り0.135%、震度5強では0.063%と想定されています。
そう仮定すると各地下街の出火数は、新宿駅約0.4ヶ所、東京駅約0.3ヶ所、池袋駅約0.2ヶ所、横浜駅約0.1箇所。いずれも出火数は、1ヶ所未満となります。

直下の地震発生時には、いずれかの地下街から1ヶ所の火災が発生。地下街は出入口が限られて閉鎖空間のため、火災発生時には限られた出入口に群集が殺到して、将棋倒し等により死傷者発生事故が発生します。

群集殺到による新宿地下街の被害 死傷者率 死傷者数
死者率 0.18% 約40名
負傷者率 4.1% 約900名

パニックの発生条件

  • 危険が突然発生すること
  • その場所から脱出しなければ助からないという認識が広がること
  • 脱出口があること
  • その脱出口が限られていること

ターミナル駅の被害

震度6強程度のエリア内に位置するターミナル駅は新宿駅、池袋駅、上野駅、東京駅、品川駅、渋谷駅。
地震発生時における各ターミナル駅合計の瞬間的な滞留者数を、ピーク時5分間の各路線乗降者数の合計と仮定。各駅の駅舎の一部が各地点の地震動により全壊した場合を想定。
(駅舎のうち全壊被害が発生する割合は、一般の非木造建物の全壊率を適用)のため、火災発生時には限られた出入口に群集が殺到して、将棋倒し等により死傷者発生事故が発生する。

ターミナル駅被害 東京湾北部地震 都心西部直下地震
(単位:人) 8時 12時 18時 8時 12時 18時
死者数 10 30 10
負傷者数 420 30 980 60 210
重傷者数 40 90 100 10 20

被害想定で考慮されていない、その他の被害シナリオ

高架下利用店舗の被災により多数の死傷者が発生する。