避難者と帰宅困難者の発生 【首都直下地震】

平成17年2月25日 政府中央防災会議「首都直下地震対策専門調査会」より

避難者の発生

  • 1日後に約540~700万人の避難者が発生。そのうち避難所での生活者は約350~460万人。
  • 1ヶ月後に断水人口の95%が復旧した場合も、約150~270万人の避難所生活者がそのまま避難所に残るものと想定。このうち、家屋被害のみによって避難所生活者になる人は約120 ~240万人にのぼる
  • 強い揺れを伴う余震が断続的に長期間続く場合や、気象条件によっては、自宅や屋外テント等での生活に不安を感じ、避難所生活者がさらに増加し、より避難生活が長期化する可能性がある
避難者数が最大になるケース
避難者数 (避難所生活者+疎開者)
(単位:人) 1日後 4日後 1ヶ月後 うち建物の被災が要因
茨城県 57,000 46,000 14,000 7,200
群馬県 300 300 100 100
埼玉県 1,000,000 890,000 540,000 470,000
千葉県 1,300,000 1,200,000 720,000 630,000
東京都 3,100,000 2,600,000 2,200,000 2,100,000
神奈川県 1,500,000 1,300,000 660,,000 530,,000
山梨県 800 600 200 90
静岡県 500 400 100 50
合計 約700万人 約600万人 約410万人 約370万人

※家屋被害が最大になるケースは(18時発生、風速15m/s) 最小になるケースは (5時発生、風速3m/s)

帰宅困難者の発生

首都地域では、遠方から来ている昼間滞留者の数が膨大で、昼12時に地震発生の場合都内で約390万人、1都3県計で約650万人の帰宅困難者が発生。

帰宅困難者数 (単位:人) 公共交通機関 自動車、二輪車、徒歩 合計
埼玉県 310,000 360,000 670,000
千葉県 350,000 470,000 820,000
東京都 3,400,000 480,000 3,900,000
神奈川県 730,000 390,000 1,100,000
1都3県合計 480万人 170万人 650万人

※昼12時、死傷者を含む


  • 公共交通機関が止まり、外出先に取り残された人々が居住地に向けて一斉に徒歩帰宅を開始した場合、路上や鉄道駅周辺では大混雑が発生し、集団転倒などに巻き込まれる可能性があるとともに、火災や沿道建物からの落下物等により負傷するおそれがあるなど、大変危険な状態となる。
  • 道路の混雑により、救助・救急活動、消火活動、緊急輸送活動などの応急対策活動が妨げられるなど、混乱が生じるおそれがある。
  • 徒歩で帰る人々により、沿道では飲料水やトイレ等に対する大きな需要が発生する。特に沿道の避難所等では、飲料水やトイレ等を求めて徒歩帰宅者が訪れることも想定される一方で、地域の避難者も集まって来ることから、十分な対応ができず混乱が生ずる可能性もある。