避難者・帰宅困難者の発生 【首都直下地震】
平成24年4月18日 東京都防災会議 地震部会「首都直下地震等による東京の被害想定」報告書より
避難者
避難者数は、東京湾北部地震冬の18時、風速8m/sにおいて最大となり約339万人と想定されます。
元禄型関東地震で約320万人、多摩直下地震で約276万人、立川断層帯地震で約101万人となります。
避難者数一覧
想定地震 | 避難人口 | 避難生活者数 | 疎開者人口 |
---|---|---|---|
東京湾北部地震 | 3,385,489人 | 2,200,568人 | 1,184,921人 |
多摩直下地震 | 2,756,681人 | 1,791,842人 | 964,838人 |
元禄型関東地震 | 3,200,981人 | 2,080,638人 | 1,120,343人 |
立川断層帯地震 | 1,007,138人 | 654,640人 | 352,498人 |
冬18時風速8m/s
- 地震発生の時間帯によっては、他の区市町村内で帰宅困難者となっている場合が想定されます。
- 都民一人ひとりが飲料水の備蓄を行うことなどにより、避難者数が減少する可能性があります。
帰宅困難者
東京都市圏外からの流入者
観光やビジネスなどの目的で、国内各地から東京を訪れる人は約44万人、海外から東京を訪れる人は約1万2千人であり、この人数が帰宅困難者になると想定されます。
自宅までの距離帯別に発生する帰宅困難者
『都内滞留者の自宅までの距離が遠くなるにつれ徒歩帰宅が困難になる』という考え方によると、都内滞留者(約1,387万人)のうち約471万人の帰宅困難者が発生すると想定されます。これに、東京都市圏外からの流入者を合わせると、帰宅困難者数は約517万人になります。
自宅までの距離帯別に発生する帰宅困難者数
地域 | 帰宅困難者数 | 距離帯別 | |
---|---|---|---|
10~20km | 20km~ | ||
区部 | 3,790,824人 | 928,008人 | 2,862,816人 |
多摩 | 923,490人 | 226,075人 | 697,415人 |
東京都 | 4,714,314人 | 1,154,083人 | 3,560,231人 |
都内滞留者
都内滞留者の内訳
東京都市圏外からの流入者、東京都市圏内からの流入者及び待機人口(自宅及び自宅周辺にいる人数)を合わせた都内滞留者総数は約1,433万人となります。
このうち、私用等の目的で滞留している人に、東京都市圏外からの流入者を合わせると約163万人となります。これは職場や学校などの所属場所を持たずに屋外で滞留する人数です。
目的別 都内滞留者数
地域 | 屋内被災者 | 屋外被災者 | 待機人口 | 滞留場所不明 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
学校 | 業務 | 私用 | 不明 | |||
区部計 | 1,107,856人 | 5,591,954人 | 826,265人 | 40,556人 | 2,593,498人 | 474,984人 |
多摩計 | 536,782人 | 951,631人 | 302,367人 | 11,279人 | 1,280,792人 | 156,975人 |
総計 | 1,644,638人 | 6,543,585人 | 1,128,632人 | 51,835人 | 3,874,290人 | 631,959人 |
帰宅方面別 都内滞留者数
帰宅方面 | 屋内被災者 | 屋外被災者 | 待機人口 | 滞留場所不明 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
東京都中心部 | 1,096,074人 | 198,629人 | 753,646人 | 96,007人 | 2,144,356人 |
東京都区部 | 2,505,350人 | 456,561人 | 1,825,481人 | 227,049人 | 5,014,441人 |
東京都西部 | 1,658,121人 | 310,305人 | 1,280,010人 | 159,350人 | 3,407,786人 |
神奈川県 | 1,099,407人 | 83,893人 | 4,954人 | 54,871人 | 1,243,125人 |
埼玉県 | 957,013人 | 72,964人 | 5,692人 | 52,104人 | 1,087,773人 |
千葉・茨城県南部 | 872,258人 | 58,115人 | 4,507人 | 42,578人 | 977,458人 |
総計 | 8,188,223人 | 1,180,467人 | 3,874,290人 | 631,959人 | 13,874,939人 |
- 屋内被災者=滞留目的が業務、学校で、発災時に屋内にいると考えられる人
- 屋外被災者=滞留目的が私用、不明で、発災時に屋外にいると考えられる人
- 待機人口=滞留目的が自宅及びその周辺の人
ターミナル駅別滞留者数
駅名 | 駅周辺滞留者 | 待機人口 | 滞留場所 不明 |
計 | ||
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屋内滞留者 | 屋外滞留者 | 計 | ||||
東京駅 | 442,294人 | 34,308人 | 476,602人 | 909人 | 72,423人 | 551,627人 |
新宿駅 | 315,318人 | 50,257人 | 365,575人 | 16,303人 | 26,283人 | 408,161人 |
上野駅 | 84,910人 | 22,217人 | 107,127人 | 17,647人 | 10,529人 | 135,303人 |
品川駅 | 148,411人 | 6,226人 | 154,637人 | 16,655人 | 6,904人 | 178,196人 |
蒲田駅 | 47,677人 | 8,472人 | 56,149人 | 24,717人 | 15,898人 | 96,764人 |
渋谷駅 | 159,930人 | 20,964人 | 180,894人 | 12,371人 | 15,093人 | 208,358人 |
池袋駅 | 80,944人 | 21,554人 | 102,498人 | 17,508人 | 27,728人 | 147,734人 |
北千住駅 | 23,376人 | 7,077人 | 30,453人 | 23,709人 | 2,927人 | 57,089人 |
八王子駅 | 30,067人 | 9,787人 | 39,854人 | 15,404人 | 2,882人 | 58,140人 |
町田駅 | 25,928人 | 12,268人 | 38,196人 | 18,593人 | 2,011人 | 58,800人 |
立川駅 | 47,507人 | 17,239人 | 64,746人 | 13,920人 | 3,089人 | 81,755人 |
- 駅を起点に4k㎡圏内に存在する人数のうち、「屋外滞留者」が駅に集積すると考えられる
- 屋内滞留者=駅周辺で学校、職場の目的で滞留している人
- 屋外滞留者=駅周辺で私用、不明の目的で滞留している人
その他のシナリオ
避難者
- 余震の発生や降雨等の気象条件の変化に伴い、避難者が増加する可能性がある。
- 避難所において栄養障害や感染症の発生など、二次的な人的被害が生じる可能性がある。
- 元禄型関東地震時には、広域避難場所に指定されている河川敷が浸水する可能性がある。
帰宅困難者
- 大量の都内滞留者が一斉に帰宅行動をとろうとした場合、道路渋滞等の発生や応急活動への著しい支障が生じる可能性がある。
- オフィスや学校等の建物が被災した場合には、想定以上の屋外滞留者が発生する可能性がある。
- 木造密集市街地などの大規模な火災延焼の危険性がある地域の滞留者は、広域避難対象者と可能性がある。
- 休日には、渋谷駅や新宿駅周辺の繁華街などを中心に、買い物客や観光客などが増加し、想定以上の滞留者が発生する可能性がある。その際、一時に駅周辺等に大量の滞留者が殺到した場合、階段やエスカレーターでの集団転倒事故等の人的被害が生じる可能性がある。
- 東京都防災ホームページ
- 東京都の対策 - 地震の被害想定