道路の混雑 【首都直下地震】
平成20年10月27日 政府中央防災会議「首都直下地震避難対策等専門調査会」より
大混雑区間の発生
基本ケースにおける各道路区間の混雑度(発災後3時間)
中央防災会議 「首都直下地震避難対策等専門調査会報告」より
発災時に想定される混雑度が6人/㎡以上の場合、ラッシュアワーの満員電車の状態に近く、群集なだれが引き起こされる危険性があります。
満員電車状態の区間は、都心部や火災延焼部を中心に発生することが予想されます。
満員電車状態に長時間巻き込まれる人の発生
満員電車状態の道路を3時間以上歩く人は、全域で約16%(約201万人)、23区出発者で約31%(約183万人)、都心3 区出発者で約38%(約75万人)と推定されています。発災時の混乱した状況の中で、満員電車のような過密な状態に長時間巻き込まれることにより、心身に大きな負担となることが懸念されます。
混雑の発生による帰宅所要時間の増大
混雑によって帰宅にかかる時間も大幅に増加します。
例えば、丸の内から川越街道方面の和光市(距離約21km)への帰宅には、通常約5時間のところを約15時間かかり、そのうち約9時間は満員電車状態の道路を歩いて帰ることになります。また、横浜市(距離約32km)へは、通常約8時間のところ約15時間、さいたま市(距離約25km)へは、通常約6時間のところ約11時間かかると想定されます。
首都直下地震避難対策等専門調査会報告資料より
膨大な数の通過者の発生
各道路を通過する徒歩帰宅者の累計数も膨大となる。
発災後24時間までの総通過者数が20万人以上となる区間が都心から放射状に広がる道路の多くの箇所で見られ、これらの沿道では、水、トイレや休憩する場所等の膨大な需要が発生することが予想されます。また、主な駅ターミナルは、これらの道路付近に位置し、情報等を求めて駅周辺に徒歩帰宅者が集中する可能性もあります。
このように、人々が一斉に帰宅を開始すると大混乱が生じる可能性があるので、すぐに帰宅せず、会社や学校にとどまり、時間差で帰宅する『時差帰宅』を推奨しています。