首都直下地震 交通施設の被害

平成17年2月25日 政府中央防災会議「首都直下地震対策専門調査会」より
被災シナリオ 東京湾北部地震 M7.3

道路施設の被害

橋梁・高架橋の落橋・倒壊などの機能支障に至る大被害は一般国道・都県道で約10ヶ所(市町村道まで含めると約70ヶ所)発生。
高速道路(高速自動車国道及び首都高速道路)については、阪神・淡路大震災以降、耐震補強が進んでいる。また、新潟県中越地震において、耐震補強後の橋梁に修復に長期を要する被害を受けた事例がなかったことも踏まえ、大被害の発生は想定しなかった。

道路施設の被害 (単位:箇所) 高速道路 一般国道及び都県道 市町村道
東京湾北部 M7.3 中小被害 大被害 中小被害 大被害 中小被害
埼玉県 70 20 20 100
千葉県 70 30 10 80
東京都 470 10 90 20 130
神奈川県 90 30
都心西部直下 M6.9 中小被害 大被害 中小被害 大被害 中小被害
埼玉県 60 10 10 70
東京都 520 120 60 380

首都地域内の高速道路の耐震補強進捗状況

  1. 高速自動車国道99.8%
  2. 首都高速道路100%

緊急輸送道路の橋梁については、平成7年兵庫県南部地震において落橋や倒壊等の大被害が発生した古い設計基準を適用した橋梁を対象として、同程度の地震が起きても大被害が生じないことを目的に耐震補強を実施されています。

鉄道施設の被害

機能支障に至る鉄道構造物の大被害(橋梁・高架橋の落橋・倒壊)は、首都地域内の鉄道(JR ・私鉄・地下鉄計)で約30ヶ所発生。 高架下を店舗等に利用している箇所の耐震補強工事については、店舗等との調整に時間を要するため耐震化が遅延している。

鉄道構造物の被害 (単位:箇所) 東京湾北部 M7.3 都心西部直下 M6.9
  大被害 中小被害 大被害 中小被害
埼玉県 70
千葉県 90
東京都 20 600 30 860
神奈川県 20
  • 大被害:機能支障に至る程度の橋梁・高架橋の被害
  • 中小被害:機能支障に至らない程度の橋梁・高架橋の被害
  • 橋梁・高架橋の被害のみの箇所数を示している

新幹線高架橋の耐震補強実施計画

路線名(区間) 高架橋柱総本数(本) 補強済み(本) 今後補強予定(本)
JR東日本 東北新幹線(東京~八戸) 51,100 5,700 6,800
JR東日本 上越新幹線(大宮~新潟) 26,000 1,400 4,600
JR東海 東海道新幹線(東京~新大阪) 34,000 10,700 (優先地域)6,900
  • 優先地域とは、仙台地域、南関東地域、東海地域、名古屋地域、京阪神地域及び活断層近接地域等をいう。
  • 高架下を店舗等に利用している箇所の一部を除き概ね平成19 年度に完了予定。

港湾施設の被害

東京湾内の重要港湾にある1,071の岸壁のうち、地震発生直後に約480の岸壁が被害を受ける。
緊急物資輸送に対応した耐震強化岸壁(公共)の進捗率は71% (計画34バース/整備24バース)

重要港湾名 被害を受ける岸壁数
  東京湾北部 M7.3 都心西部直下 M6.9
東京港 90 70
横浜港 70 10
川崎港 100 60
横須賀港 10
千葉港 190
木更津港 20

阪神・淡路大震災時の神戸港では186の岸壁のうち、地震発生直後に179の岸壁が被害を受け、使用不能となった

航空施設の被害

  • 羽田空港、成田空港のターミナルビルは十分に耐震強化されており、機能支障の可能性は小さい。
  • 羽田空港については、液状化により滑走路等の一部について使用不能となる可能性がある。
  • アクセス交通の寸断により、空港が孤立する可能性がある。
  • 東京管制部は十分な耐震性とバックアップ体制を備えており、管制業務停止による機能支障の可能性は小さい。

被害想定で考慮されていない、その他の被害シナリオ

  • 高速道路、鉄道の上部空間を通過する一般市区町村道は、十分に耐震強化がされていない場合が多く、路上、線路上へ の落下による通行支障が生じる。
  • 高速道路の橋脚は十分な耐震性が確保されていた場合でも、沿道建物の倒れ込みにより道路及び鉄道施設損壊や通行支障が生じる。
  • 道路及び鉄道施設の地下部分や河川水面下の基礎構造物は、強震動や側方流動に対する十分な耐震強化が実施されていない箇所が損壊する。