鉄道・港湾・空港施設の被害 【首都直下地震】

平成24年4月18日 東京都防災会議 地震部会「首都直下地震等による東京の被害想定」報告書より

鉄道施設の被害

新幹線では、都内の路線延長1kmごとに最大で17箇所の中小被害が発生する。
在来線・私鉄線では、都内の鉄道施設のうち最大で1.9%の中小被害が発生する。
地下部についてはシールドトンネルは耐震構造で、開削トンネルも概ね全ての区間で耐震補強済のため、交通支障に至る被害は発生しない。

新幹線 鉄道施設の被害

  東京湾北部地震 多摩直下地震 元禄型関東地震 立川断層帯地震
  大被害 中小被害 大被害 中小被害 大被害 中小被害 大被害 中小被害
区部計 0 17 0 2 0 10 0 0
多摩計 0 0 0 0 0 0 0 0
都計 0 17 0 2 0 10 0 0

被害箇所数(箇所)/路線延長(km)で推計

在来線・私鉄線 鉄道施設の被害割合

  東京湾北部地震 多摩直下地震 元禄型関東地震 立川断層帯地震
  大被害 中小被害 大被害 中小被害 大被害 中小被害 大被害 中小被害
区部計 0.1% 2.5% 0% 0.5% 0% 1.1% 0% 0%
多摩計 0% 0% 0% 1.8% 0% 0.8% 0% 1.2%
都計 0% 1.9% 0% 0.8% 0% 1% 0% 0.3%

高架橋・橋梁を主な被害発生の対象とし、道路施設被害と同様、大被害(機能支障に至る程度の橋梁・高架橋の被害)及び、中小被害(機能支障に至らない程度の橋梁・高架橋の被害)で評価する。

港湾施設の被害

東京港湾の総バース183箇所のうち、東京湾北部地震で136箇所、多摩直下地震で87箇所、元禄型関東地震で91箇所、立川断層帯地震で1箇所が被害を受ける。(岸壁の被害による港湾機能支障率を算出)

東京港湾バース被害想定

総バース数 東京湾北部 多摩直下 元禄型関東 立川断層帯
183箇所 136箇所 87箇所 91箇所 1箇所

総バース数のうち14箇所は耐震済みのバース

バースとは船舶が荷役のために停泊する岸壁・桟橋等の船舶けい留場所で、岸壁等の数を表す単位としても用いられる。

空港施設の被害

空港施設は、首都直下地震等の発生時、他県から応援を受けるなどの重要な役割を持っている。
羽田空港のB滑走路及びD滑走路については耐震化されているが、その他の滑走路は地震により液状化被害が発生するなど使用できない可能性がある。

交通施設の被害想定について

阪神・淡路大震災以降、耐震対策が進められており、中越沖地震等規模の大きい地震においても、甚大な影響は出ていない。なお、海溝型地震である東北地方太平洋沖地震においても、ゆれによる被害は、ほとんど発生していないため、被害率の参考となる適切な地震のモデル設定が難しい。